クリニックがコロナでヤバイ!?医療機関の倒産が過去10年で最多!
2021年現在、新型コロナウイルスの影響により中小企業の経営状態の悪化がたびたび報道されておりますが、病院やクリニック、歯科医院など多くの医療機関でも診療報酬が減少し、厳しい経営状態が継続しています。
医療機関の事業譲渡、M&A、開業を支援するDoktorにも廃業の相談が非常に増えてきています。
また2020年7月22日の日経新聞に弊社のコメントを載せていただいたとおり、コロナウィルスの影響により、クリニックのM&A、廃業が進んでおります。
参考:病院経営、ファンドで支援 銀行系リースが資金供給:日本経済新聞
ではコロナがクリニック経営へ与えた影響は具体的にどれほどなのでしょうか?
そうした疑問にお答えするため、本コラムでは、
- コロナ禍での医療機関の倒産件数が最多であること
- 倒産ではなくM&Aを検討べきであること
について専門業者の視点から解説していきます。
クリニック・医療機関の倒産件数は過去10年で最多に!
上記の図は、2020年1月の帝国データバンクの医療機関の倒産動向調査図で新型コロナウイルスの影響が出始める前のデータになります。
このデータでは、2019年の医療機関の倒産件数は45件(病院8件、クリニック22件、歯科15件)となっており、リーマンショックの前後である2007年48件と2009年52件の倒産件数に続き3番目に多い件数で過去10年間で最多数となっております。
そして、ただでさえ倒産が増加傾向にある医療機関は、2020年以降コロナの影響によりますます倒産数が増えていくと予測されています。
更に弊社はコロナが収束後でも、以前のような患者数にはもどらないと考えており、依然クリニックの経営が苦しくなるでしょう。
コロナウイルスで廃業を検討するクリニックの特徴
コロナウィルスの影響を受け、廃業を検討するクリニックの特徴は3つあります。
① クリニックの院長がご高齢で後継者がいない
いつ辞めるかタイミングが分からなかったが、コロナをきっかけにもう疲れたので閉院したいというご相談が多いです。
② 専門科が整形外科、小児科、耳鼻咽喉科など不要不急の科である
特に感染拡大が広がっていた、1都3県では、専門科によっては5割ほど売上が落ちている場合もあります。
また再診患者の割合が高いクリニックは特に患者の戻りが遅いです。
そんな中コロナウイルスはなかなか収束せず、売上を戻る期待を諦めてしまった経営者様が、廃業を検討することが多くなっています。
③ 開業してから1年~3年の新しいクリニックである
新規開業は最初に1億程度資金調達をして、運営して1年~1年半くらいで損益分岐点に達し、そこから安定していく開業が多いのです。
しかしながらやっと患者が集まり始めたところにコロナウィルスの影響で患者が減ってしまい、追加の資金調達を迫られているような開業して数年のクリニックが特に危ないです。
医師の年収が高いとはいえ、2億~3億の借金が残ると返しきれない恐れがあるため、このタイミングで廃業をというご相談が多くなっております。
クリニックの廃業はデメリットばかり
こうしたコロナウイルスの影響で、クリニックを廃業したいというお問合せをたくさんいただきます。
しかしながら、クリニックの廃業はデメリットしかないことをご存知でしょうか?
ここではそうしたクリニックの廃業のデメリットを3つ紹介します。
クリニック廃業のデメリット①ブランドやノウハウの損失
廃業を選択することで、今まで培ってきたクリニックの信頼などのブランド、取引先や顧客との関係性、独自で生み出したノウハウといったものがすべて損失することになります。
一度廃業したあと再度クリニックを開業する場合、これらの資産は帰ってきません。
クリニック廃業のデメリット②従業員解雇の必要性
廃業を選択する場合、これまで苦楽をともにしてきた従業員を解雇する必要があります。
従業員は新しい仕事を探す必要があり、契約期間や退職金などの話し合いもする必要があります。
クリニック廃業のデメリット③財産損失
クリニックを廃業する場合、医療法人の財産は株主に分配されるものの、M&A等の事業承継の方法と比較すると利潤が少なくなるケースが多く、財産的に損失してしまう可能性が高いです。
クリニックは廃業せず、M&Aで事業譲渡すべき
クリニックの廃業は多くのデメリットがつきまとうことが理解できたと思います。
Doktorではクリニックは廃業するのではなく、M&Aで事業譲渡することを推薦しております。
廃業せずM&Aでクリニックを売却するメリット
廃業をせずにクリニックをM&Aによる売却するメリットは主に2つあります。
クリニックM&Aのメリット①患者が継続的に通院が可能
1つは現在通院している患者様のためです。医療機関が医療サービスを患者様に提供する最大の目的として、「患者様に長生きしてほしい」「患者様やその家族に、もっと幸せになってほしい」といった、”患者様のために”という気持ちが大きいと思います。
廃業してしまえば、その地域からクリニックが減り困る患者様を出してしまいますが、承継することができれば患者様を引き継いでもらうことで、地域への責任を果たすことにつながります。
クリニックM&Aのメリット②従業員の雇用が維持できる
2つ目は、クリニックで働いている従業員のためです。クリニックが廃業して困るのは患者様だけではなく従業員も同じです。所属しているクリニックが廃業したら、従業員は新たに求人を見つけ新たな場所で人間関係を構築するという必要があり心身ともに負担がかかることは間違いありません。
こうしたことから、”医療機関のM&A”を通して経営手腕の優れた方にクリニックや薬局、病院、介護施設などの医療機関、医療法人を託すという決断は「責任感のある」決断だといえるでしょう。
クリニックM&Aのメリット③クリニックの売却益を得ることができる
クリニックをM&Aをすることで資産に利益の数倍足した売却益を出すことができます。
赤字のクリニックは無償譲渡になることもありますが、廃業コストがかからない分お得といえます。
クリニックの廃業に関して、更に詳しく知りたい方は以下の記事も読んできてください。
コロナの影響等で経営が苦しいなら是非クリニック、医療機関のM&Aの検討を!
いかがでしたか?
コロナ禍においてクリニックの廃業件数が増えている背景や、その対処法としてM&Aを検討べきであることをご理解いただけたと思います。
Doktorでは、2015年の創業以来、様々な医療機関のM&Aを行った経験、そして約700名の開業希望医との連携により、譲渡価格や譲渡後の雇用体制など、希望に沿った買い手様をご紹介することが可能です。
患者様や医療スタッフのために医療を存続させるためにも、後継者の不在や、病院の経営にお悩みの病院経営者様は、是非お気軽に弊社までご連絡ください。