激増!介護事業所のM&A動向を解説
企業が成長をするための手段として、スピーディーに事業構造を転換することができる手段である“M&A”はとても有効な手段で、医療分野でも、「規模の経済」によるシナジー効果を目的に、病院やクリニック、薬局、介護施設などの医療機関、医療法人の買収を進めて事業規模の拡大を検討する医療法人、企業も増えています。
そこで本記事では、介護業界のM&Aの動向について紹介していきます。
介護事業所のM&A動向
2015年以降介護業界においてのM&A件数というのは、増加傾向にあります。M&Aと聞くと、身売りなど、マイナスなイメージを持たれる方も経営者様には少なくはないとおもいますが、現在日本全体で経営者の高年齢化が起因とした後継者不足により「第三者承継」が増えています。そして、この動きは介護業界にも現れはじめています。
そして、介護業界のM&A件数が増加している背景としては「売り手側も買い手側も同じ悩みを抱えている」という点が挙げられます。
また事業を継続させるために事業所の「休止・廃止」ではなく譲渡をし、事業継続を検討される経営者様が増えてきたことも起因しています。
下記で上記に記した要因も含め、「なぜ介護事業所の譲渡数が増えているのか?」という視点で、代表的な3つを例に説明していきます。
①人材不足
一つ目は介護業界だけでなく、福祉、医療業界全体の課題である「人材不足」です。
人材不足の課題は売り手側だけでなく、買い手側の大きな課題になってきています。
事業を運営していくためには必ずスタッフが必要になることから、それぞれサービス種別ごとに設定されている人員の基準を満たすため、常に採用活動を行い人員確保を行っている事業所も少なくないと思います。
しかし、常に採用活動をし人員確保をするというのは、採用コストが膨らみ、事業の経営を悪化させてしまう可能性もあります。
もし、買い手側が新規事業に参入したい、別の事業所を建てたいと動き出した時、0から人員確保するのは、コスト面でも時間面でも、かなりの労力がかかります。
なので、買い手側が従業員を採用するコストをかけずに雇用できる「M&A」を用いる事業者様が増えているのです。
また売り手側にとっても事業所を潰すことなく、雇用とサービスを継続することができることから、売却を望む経営者様のニーズも増えており、M&A件数が増加しています。
②後継者不足
二つ目は、日本の中小企業全てに通じることですが「後継者不在」という問題です。
現時点で事業が順調に回り、利益も出ている状態であったとしても、その事業を引き継ぎ管理する人がいなければ、事業所が運営し続けるのは困難です。
特に経営者様自身が高齢である場合に、1から管理者を育てるということも困難であり、家族継承も厳しいといった場合に、考えられる手段が第三者への承継、M&Aとなり、M&A件数が増加しています。
③事業の選択と集中
最後に三つ目は「事業の選択と集中」を進めるためです。
「事業の選択と集中」とは、複数拠点運営している事業者様が、一部を切り離して他の事業に経営を集中する場合や、複数事業のどちらか一方を切り離すといった場合が主となります。
このような場合、事業所間の連携が噛み合わず、シナジー効果を生み出せていない場合や事業所の管理が行き届かないなどの課題から、事業譲渡をご希望されるケースです。
ですので、スタッフや顧客が安定していたとしても、事業所間の管理に課題があることから、経営は困難と判断し、切り離しがしたいという事例が増えてきています。
まとめ
人材不足、後継者不足、事業の選択と集中というこれら3つの理由から介護事業所のM&Aの総数は年々増えており、さらに将来高齢化に伴うことで、今以上に増えていくことは想定されています。
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