医療法人の形態の一つ「社団医療法人」とは?

クリニックの新規開業や分院展開などで、医療法人の設立が必要となります。

実は医療法人は2種類あるのはご存知でしょうか?

医療法人は大きく分けて「財団医療法人」「社団医療法人」の2つがあります。

現在、医療法人は5万3,000ほどあるといわれていますが、そのほとんどが社団医療法人です。

本記事では医療法人の一つ、社団医療法人について詳しく解説いたします。

医療法人の一つ「社団医療法人」とは?

社団医療法人は出資持分があるかないかによって「出資持分のある医療法人」と「出資持分のない医療法人」に分類することができ、そこからさらに細分化することもできます。

そうした細かい医療法人に関する情報を知りたい方は、以下記事をご覧ください。

なお、法人化の手続き時期、移設などに関するスケジュールやルールなどは各都道府県によって異なるため、分院の開設を目指す時期や場所によって確認する必要があります。

社団医療法人を構成する要素とは?

次に、そんな社団医療法人の構成や陰影に関して基礎的な知識を解説します。

社団医療法人とはその実態が社団、つまり一定の目的のもとに結合した人の団体である医療法人をいいます。

社団医療法人には、構成員である社員のほか、医療法の定めによって社員総会や理事・監事、理事長が置かれることになっております。また理事会も設置しなければなりません。

社団医療法人の基本的な構成は株式会社に類似していて、「社員⇒株主」「社員総会⇒株主総会」「理事⇒取締役」「理事会⇒取締役会」「監事⇒監査役」「理事長⇒代表取締役」に置き換えて考えると、その構造がイメージしやすいかもしれません。

ただし、株式会社においては株主権を複数に分けた株式が存在し、これと社員(株主)の地位が不可分に結合しているのに対して、社団医療法人には株主に相当する概念が存在しないなどの差異も、当然存在します。

では、次にそれぞれの構成要素について簡単に解説します。

社団医療法人の構成要素① 社員

社団医療法人の構成員が社員です。

社員資格については定款で規定されることになっています。

なお、出資持分のある医療法人においても、社員の地位は出資持分とは結合しておらず、出資持分をまったく有しない社員も存在し得ます。

社団医療法人の構成要素② 社員総会

社員総会とは、社員によって構成されている合議会で、医療法によって定められていますが、社団医療法人における最高意思決定機関です。

株式会社のような資本多数決の原理は、社団医療法人における社員総会ではとられていません。

社員は出資持分の有無や額などとは関係がなく、1人1個の議決権を有しています。

社団医療法人の構成要素③ 理事・監事

そして社団医療法人に設置が義務付けられている役員が理事・監事です。その員数は医療法に定められており、原則として理事が3名以上、監事が1名以上とされています。

なお、分院展開を行う場合、分院長は必ず理事に就任する必要がありますが、社員にする必要はありません。つまり、分院長を社員にする場合には慎重に判断する必要があるのです。

「社員」=「理事」と誤解されることが多くありますが、社員と理事は異なるものです。小規模の医療法人の場合には社員と理事を兼任することが多くあるため、そうした理由から誤解される方が多いのかもしれません。

しかし、医療法が定めるところによると、社員の中から理事を選ぶ必要性はなく、、また理事が社員のである必要はありません。(ただし、医療法としてではなく定款として「理事は社員とする」と規定しているという例外もあります。)

社団医療法人の構成要素④ 理事会

理事会とは、その名の通り理事によって構成される合議会で、医療法人における業務執行に対する意思決定帰還であるといえるでしょう。

社団医療法人の構成要素⑤ 理事長

理事長は、医療法人を代表し、その業務を総理する理事であり、、社員総会を招集する権限を持っています。理事長は通常、理事会で選出されますが、医療法によって原則として医師または歯科医師である理事の中から選出される必要があります。

しかしながら例外的に、都道府県知事の許認可を受ければ、医師または歯科医師ではない医師でも理事長になることが可能です。

社団医療法人の構成要素⑥ 監事

社団医療法人における監事とは、株式会社における監査役と同じような役割を担う役職です。

業務内容としては、社団医療法人の業務や財務状況を監査し、監査報告書を作成して社員総会あるいは理事、さらには医療法人の監督先である都道府県などに報告するぎょうむなどがあります。

報告のために監事自らが社員総会を招集することもできます。これは、社員総会の招集権限を持つ理事長自身が不正などで社員総会を招集しないような場合を想定し、それに対抗して監事が招集できるようにするためです。

監事は法人の活動が正しく行われているのかを監査する立場にあります。そのため、法律では明確に否定されてはいないものの、役員や親族と特殊な関係にあるものを選ぶことは望ましくなく、また新たに分院展開する際に行政から指摘が入ることも踏まえた人選が大切です。

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