クリニックの分院展開 準備段階における注意点
本院の経営が安定してくると、シナジー効果によって集患力を高めたい、収益性を向上させたいという思いから分院展開という選択肢が現実的になってきます。
分院展開と聞くと、「なんとなく儲かりそう」「マネジメントが大変そう」などといった様々なイメージがあると思います。
しかしながら、分院展開を実際に成功させるためには、具体的な計画や事前の準備が必要不可欠です。
このコラムでは、クリニックのM&Aを通して多くの医療法人様の分院展開に協力してきた弊社が、分院展開を検討する際に行うべき計画や事前準備について解説していきたいと思います。
クリニックの分院展開は目的の明確化から準備する
「クリニックの分院展開をするぞ」なったとき、最初にすべきことは具体的な計画を立てることです。
クリニックの分院展開を検討するタイミングに関しては、以下記事を参考にしてみてください。
計画を建てる上で最初にすべきことは、数字の面などを詰める前に、「分院展開をする必要があるのか」「分院展開をなぜするのか」といった根本的な側面を検証する必要があります。
分院展開の理由が明確でないと、いざ分院の経営が始まっても経営意欲が減衰するだけではなく、経営そのものもうまくいかなくなってしまいます。
また、特に分院展開の目的も明確にせずに分院の経営を始めると、結果的には分院の赤字が膨らみ、その赤字を補填するために本院の利益が削られて内部留保が少なくなってしまうといった状況に陥りかねません。
このように分院の経営を成功させるためには、まずは「分院展開をしたい」という明白な理由が必要になってくるのです。
ここからは、分院展開をしたいという理由としてどのようなものがあるのか、実際の事例をもとに解説していきます。
クリニックを分院展開を検討する理由
クリニックの分院展開を検討する理由としては、以下の項目が挙げられます。
- 事業拡大
- 親族の開業・独立
①分院展開を通じて事業拡大をしたい
弊社が分院展開のお手伝いをさせていただく中で、分院展開を決断するにいたった理由で最も多いのが「事業拡大」です。
本院の経営に成功し手自信がついたので収益を向上したいという、気持ちから分院展開を決断される理事長様は本当に多いです。
実際にクリニックの経営を成功している理事長様であれば、新規開業時よりノウハウが溜まっているため分院展開で成功するケースが多いです。
クリニックの分院展開のメリット・デメリットに関しては、以下記事を参考にしてみてください。
②クリニックの分院展開を通じて親族が独立・開業する
次に多いのが「親族が開業したい」という理由です。
以前は、理事長様のご子息・ご息女が病院やクリニック経営をそのまま引き継ぐというケースが主流でした。
しかし、ここ最近ではその風潮も変わりつつあります。
クリニックの理事長様のご子息・ご息女であっても、病院などでの勤務を終えた後に親のクリニックで働くことなく、独立して開業したいというお医者様が増えているからです。
ではなぜ分院展開かというと、分院展開によって得られるメリットがあるからです。
親族の分院展開での開業では、節税メリットがある
クリニックを独立開業する場合、個人事業主として新たにクリニックを開業するよりも、親族の分院として開業する最大のメリットは、税制面において優遇を受けられるという点です。
例えば、院長のご子息が4,000万円をかけてクリニックを開業するとします。
そのときに、開業資金の援助として院長先生が2,000をご子息に贈与しようとすると、約580万円を超える贈与税が発生します。
しかし、親の法人の分院として開業する場合には、開業資金を法人から拠出することができるためそうした贈与税はかかりません。
親としても、ご子息の資金援助はしたいという思いはあるが、税金を余分に払うのはもったいないという気持ちから、分院展開を選択される院長様が多いのです。
M&Aによるクリニックの分院展開をお考えの場合には弊社にご相談を
以上のようにクリニックの分院展開をする場合には、まず明確な目的を設定することがとても大切です。
また、分院展開をする際に弊社としてお勧めしている、支援させていただいているのはクリニックのM&Aを通した分院展開です。
弊社では、700名の若手開業希望医と連携しながら、また他社との連携もありますので、分院の院長先生候補のご紹介、医療スタッフの採用の支援もさせていただくことができます。
また、新規の開業ではなくM&Aによる開業によって得られるメリットは多くございます。
クリニックのM&Aを通した分院展開にご興味ございましたら、一度面談の機会だけでも頂けますと幸いです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。