クリニックの分院展開のメリット・デメリット

クリニックを開業してから3年以上経過すると、経営も安定するといわれています。

初期投資も返済し、クリニック経営が順調に進むと利益の拡大を目指して分院展開を考えるお医者様もいらっしゃいます。

しかし一軒目のクリニックが成功していても、二軒目も必ず成功するとは限りません。
すでにクリニック経営のノウハウや人材などのリソースがあるとはいえ、新たにクリニックを開設するわけですからトラブルが起こることも考えられます。

そんなトラブルを避けるためにも、クリニックの分院展開のメリットとデメリットを解説いたします!

クリニックの分院展開のメリット

クリニックの分院展開のメリットは3つあります。

  • 新規開業時より分院展開は利益を上げるのが簡単
  • スケールメリット(規模の経済性)による収益の改善
  • 分院展開により人材のロスを減らせる

メリット①新規開業時より分院展開は利益を上げるのが簡単

財産

1つ目のメリットは新規開業時より利益を上げるのが簡単ということです。

分院展開では、すでに経営されている病院・クリニックでのスタッフ管理や集患など、すでにうまくいっているノウハウや経験既存のお客さんがいるので、それらを利用して利益を上げることが可能だということです。

そのため、拠点を増やすことで売り上げそのものを増加させながら、既存の経営ノウハウを利用した効率の良い経営が行えるため、分院展開をすることによって比較的簡単に利益・所得の増加が見込めるのです。

メリット②スケールメリット(規模の経済性)による収益の改善

メリットの2つ目としては、分院展開を通したスケールメリット(規模の経済性)による収益の改善によって、経営が改善するということもあります。

スケールメリットとは、大量仕入れによるコスト削減など、規模が大きくなることで得られるメリットのことを指します。

分院展開を通したスケールメリットとして期待できるものとしては以下のようなものがあります。

  1. 医薬品や検査費用、消耗品がディスカウント(値引き)できる
  2. 人材のロスを減らせる

1つ目のメリットである”医薬品や検査費用、消耗品がディスカウント(値引き)できる”ことについて、分院展開によって一度に注文する量や金額が大きくなるため、仕入れ先に対して値引きを要求できるということです。

”人材のロスを減らせる”ことに関しては、3つ目のメリットの中で紹介します。

メリット③分院展開により人材のロスを減らせる

3つ目は、分院展開により人材のロスを減らせることで、最大のメリットです。

なぜ”人材のロスを減らせる”ことが最大のメリットだといえるかというと、現在の医療業界の抱える悩みとして”採用難””人材不足”があるからです。

なぜ現在の医療業界で人材の確保、採用が難しいのかについては以下記事も参考にしてみてください。

例えば、分院展開をしていない病院・クリニックの場合、せっかく雇用した、経験も豊富で優秀な常勤医師が、他の医師との相性が悪かった場合や何かトラブルがあった場合に、雇用の継続が難しくなってしまいます。

現在の医療業界で優秀なドクターを連れてくるというのは至難ですから、この場合にはより高い給料で優秀な医師を勧誘するか、経営側から見て望ましくない医師を仕方なく誘致するということになり、人材のロス、人件費のロスになります。

分院展開を進めると、こうした場合に他の病院・クリニックで雇用を継続できるため、人材・人件費のロスを防げるのです。これは、看護スタッフや医療スタッフに対しても同様なことが言えます。また、人材を共有できるというのも大きなメリットです。

M&A後の従業員の動向に関しては、以下記事を参考にしてみてください。

クリニックの分院展開のデメリット

分院展開のデメリットは2つあります。

  • クリニック経営できる優秀な分院長の人材確保が困難
  • クリニックの分院長が急に退職してしまうというリスク

デメリット①クリニック経営できる優秀な分院長の人材確保が困難

1つ目のデメリットとしては、クリニック経営できる優秀な分院長の人材確保が困難なことが挙げられます。

ただでさえ人材不足が問題視されている医療業界において、分院長として開業することに対するモチベーションを持った医師は少なく、理事長様の人脈のみではなかなか見つからないというのが現状です。

また分院コンサルに依頼した場合でも、医師の誘致・雇用に対しては買い手企業様にお任せするということがほとんどです。

また、インターネットを通じてweb上で募集するといったことも可能ですが、その場合にはクリニックの経営に必要不可欠なコミュニケーション能力が不十分な医師が分院長になってしまうという危険性が高いです。

そのため、クリニックの分院経営に適した人材を集めることができず、患者様からの評判が下がって患者数が減り、分院展開に失敗してしまうというケースが多いのです。

デメリット②クリニックの分院長が急に退職してしまうというリスク

退職届

2つ目のデメリットは、分院の経営に適した分院長の採用ができたとしても、慣れない分院長という立場での勤務に戸惑い、突然退職してしまって後任探しに追われるリスクがあることです。

後任の医師が見つからずに、分院が閉院してしまうということになれば、内装や医療危機などへの投資が回収不能になってしまいます。

やはり、医師の採用が難しいことや、適任の人材を登用するのが難しいために、このような分院展開の失敗が起こってしまうといえるでしょう。

つまり、分院展開を成功させて事業規模を拡大し、収益を拡大するためには分院長の選択や安定した医師の雇用がカギとなるといえます!

クリニックの分院展開をするなら医師の確保が必要不可欠!!

これまで述べてきたように、分院展開のリスクやデメリットは、「分院長を見つける・選ぶ」ことの失敗にあります。

つまり、分院展開を成功させるには、開業へのモチベーションを持った医師を誘致する必要があることをわかっていただけたと思います。

つまり、クリニックのM&Aを行うだけではなく、”成功”させるためには、信頼のおける医師の存在が必要不可欠なのです。

クリニックの分院展開をお考えの理事長様は弊社にまでお気軽にお問い合わせください

本記事では、分院展開のメリット・デメリットを紹介しました。

分院展開は「分院長の選定」さえうまくいけば、大きなリターンを期待できる非常におすすめの選択です。

弊社は、約700人の開業希望医と連携をとっており、クリニックや薬局、病院、介護施設などの医療機関や医療法人のM&Aを専門としている会社です。

つまり、クリニックのM&Aだけではなく、その先の医師の誘致までお手伝いさせていただくことができます。

2021年7月現在で、M&Aを通した売却の案件も複数受託しており、買い手となるお医者様や医療法人様を探している案件がございます

M&Aを通した分院展開・新規開業を少しでもご検討の医療法人様・お医者様は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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