クリニックの廃業にはいくらかかる?金額と損しない方法を解説
新型コロナウイルスの影響を受け、廃業を考えているクリニックオーナー様からのご相談は絶えない状況が続いています。
「売上が少なくて赤字だからM&Aはできないと思う、他の仲介会社にも相談したが買い手がつかなかった」
「建物が古くて老朽化が進んでいるから、こんなところで開業したいドクターはいないはずだ」「M&Aで買い手を探す時間がもったいない、早く引退したい」
クリニックオーナー様はこういった理由で、若手医師への承継ではなく、はじめから廃業を前提としたご相談に至るようです。
本記事では、クリニックの廃業にかかる費用と損をしない方法を解説します。
廃業には1,000万円以上の金額がかかる
では、実際に廃業を選択するとコストや手間はどれくらいかかるのでしょうか?弊社にご相談に来られるクリニックオーナー様も、具体的な廃業の進め方については知らない方がほとんどです。
クリニックの廃業にかかる金額の相場は、少なく見ても1,000万円以上に及びます。具体的な内容としては、借入金の返済、雇用スタッフの退職金、行政手続き、カルテの保管、医療機器の処分、薬品類の処分、内装の原状回復などです。規模の大きく、古い医療機器が多いクリニックはさらに跳ね上がる傾向にあります。
余計な廃業コスト、損している事実に気づかないことも
直接的に発生する廃業コスト以外にも、間接的に発生する損があります。
- 半年以上前から準備する必要があり時間的コスト
- 廃業とクリニック経営を両立する精神的コスト
- 内装などの現状復帰にかかるコスト
また、これらをご自身で行おうとすると、閉院の半年以上前からスケジュール調整し、クリニックの運営をしながら手続きにとりかからなければなりません。
引退を考えられている時点で、そのドクターはクリニックの経営を閉院まで続けるだけでも大変と感じる方がほとんどです。
外来患者の紹介さえもやりきれない方もいます。そんな状況の中で、雇用スタッフの再就職や、入院患者の転院手配、業者の見積もりなど、考える余裕はないのではないでしょうか。
もちろん顧問税理士や司法書士に依頼できる部分もありますが、クリニックの廃業に詳しい方はほとんどいないため、不要なコストまでかかって損してしまうケースが多く見受けられるのも事実です。
特に、内装の原状回復や医療機器の引取など業者を使うものに関しては、実際にかかるコストよりも数百万円低く見積もっているケースが多くて驚きます。予約の時点では300万円と言われていた原状回復が、いざ作業を開始してみると追加料金の発生が数回あり、最終的に1000万円以上になったという例も稀ではありません。
こういった業者は比較が非常に難しいため、オーナー様がクリニック経営の片手間で見積もったり、知人から紹介された内装会社などに任せて契約してしまったりすると、大損してしまうこともあるため注意が必要です。
引退時の選択で勝敗が決まる!得する方法を見極めて引退後の人生に注力を
廃業の選択も、様々なリスクが潜むことをご理解いただけましたでしょうか?
引退を希望されているクリニックオーナー様の多くは、短い期間で、よりシンプルな方法で、手元に現金が多く残るようにと希望されます。
これを叶えるため、また、前述のような損をしないためには、下記の3つが重要です。
- M&Aと廃業、どちらが適しているか見極めること
- M&Aの場合、買い手をすぐに見つけられるネットワークを利用すること
- 廃業の場合、コスト削減に詳しいアドバイザーに相談すること
M&Aと廃業で、どちらを選択するべきかは財務状況によりますので一概には言えませんが、決算書などの書類をご用意いただき、通常1週間ほどでお見積りが可能です。
Doktorでは、M&Aコンサルタントだけでなくクリニック経営に詳しい税理士・司法書士と相談しながら、M&Aや廃業に向けた問題点の整理や、具体的なスケジュール調整をしていただけます。
M&Aをされる場合は、Doktorの約700名の開業希望医や、連携する医療法人など、幅広いネットワークを利用した買い手探しをお手伝いできます。また、廃業を選択されたクリニックオーナー様にも、業者の手配やコスト削減のアドバイスなどお力になれる点は多々ございます。お気軽にご相談いただければと思います。