【M&A基本用語解説】知っておきたい基礎用語5選
M&Aを検討したり企業買収系のニュースや記事を見ていると、M&A特有の専門用語が出てきて苦労する方は多いと思います。
例えばシナジー効果、デューデリジェンスなどのM&A用語は、全く知らなったり、なんとなく分かった気になっていないでしょか?
本記事では、M&Aを語るには必ず押さえておきたい基本用語である
- シナジー効果
- ロングリスト・ショートリスト
- 基本合意書
- デューデリジェンス
- 表明補償
について誰でも分かりやすく解説致します。
【M&A用語①】シナジー効果
シナジー効果とは相乗効果のことで、A社とB社が合わさることでA社B社単体で得られる単体の結果以上の結果を出せる効果のことです。
数式のイメージでは1+1=3ように、複数の要素が合わさりより高い結果がでることです。
シナジー効果は大きく分けて事業シナジーと財務シナジーの2種類があります。
シナジー効果:事業シナジー
事業シナジーとは、事業を実行する上で得られるシナジー効果のことです。
事業シナジーには売り上げの増加、ノウハウの統合、コスト削減効果、人材の活用、スケールメリットがあります。
売り上げの増加は企業同士の協力によってもたらされ、シナジー効果があれば単に両事業の売り上げが合計されるだけでなく、顧客や流通網が共有でき、知名度やブランド力がつき、さらなる売り上げや収益に繋がります。
ノウハウの統合では知的財産や経験値が組み合わさることで付加価値が高まります。コスト削減効果は、共通している間接部門費の削減や物流コストの削減によってコストを削減する効果です。
人材の活用は2つの事業の人材が共通の経営資源となることで、適材適所の促進などで人事面が活性化する効果です。
スケールメリットは生産ロットの増加や単位製品あたりの固定原価の割合の低下により利益が増加する効果です。
シナジー効果:財務シナジー
財務シナジーとは、投資や税金などの財務に関するシナジー効果です。
財務シナジーには余剰資金の活用と節税効果があります。
余剰資金の活用は、統合することで余剰資金を活用でき、投資の最適化を図ることができる効果です。
節税効果は統合による債務の引継ぎなどにより、統合する前よりも節税効果が期待できるということです。
【M&A用語②】ロングリスト・ショートリストとは?
ロングリストとは、M&Aの対象となりうる最低条件といった一定の基準を満たした企業リストのことです。ロングリストの中からシナジー効果を期待できる企業などを一定条件で絞り込んだものをショートリストといいます。
ロングリストが最低限の条件の減点法でスクリーニングで、ショートリストは最低条件を満たした上であったらいいなという加点法の条件を加えるのスクリーニングと説明すればわかりやすいかもしれません。
ロングリストは、経営者のM&Aの目的によって掲載される企業が異なります。ターゲットを選定するにはまずスクリーニング基準を明確にする必要があります。
スクリーニング基準には事業内容や事業規模が用いられることが多いです。
事業内容が自社と整合性が高いとビジネスプランが描きやすく、シナジー効果も高くなりやすいです。売り手会社が買い手会社の予算内に収まることが前提条件なので、事業規模もスクリーニング基準として重要な項目です。
買収の目的が事業の地理的拡大である場合は、売り手企業の事業展開しているエリアなども重要な要素になります。
実際にM&Aで業務で使えるレベルでのロングリスト・ショートリストの作成方法を知りたい方は、以下記事もぜひ読んでみてください。
【M&A用語③】基本合意書とは?
基本合意書とは、売り手と買い手の双方が、M&Aに向けて基本的な諸条件を当事者間で確認するために締結する契約書です。基本合意書は、M&Aの取引をスムーズに実行させるためのもので、買い手側にも売り手側にもメリットとなるように作成されます。
この基本的な諸条件には取引形態、費用負担、今後のスケジュール、デューデリジェンスの協力義務、独占交渉権の付与などが含まれます。
基本的な取引条件に付いて合意がされて基本合意書が作成されると、デューデリジェンスへと進んでいきます。
【M&A用語④】デューデリジェンスとは?
デューデリジェンスとは、買収監査とも呼ばれ、相手企業の持つ価値、将来の収益性、リスクの調査や分析をするプロセスです。一般的には基本合意契約の締結後の、最終契約フェーズに行われます。
この作業は専門家による調査とマネジメントインタビューが中心的に行われます。
デューデリジェンスには企業価値の確認調査だけでなく、表面化した問題の契約書への反映、統合後を見据えた情報収集、株主に対してM&Aのリスク回避に努めた旨の証明など、様々な役割があります。
【M&A用語⑤】表明補償とは?
表明保証とは、売り手が買い手に対し、契約目的物に関する内容について、それが正しいことを保証するものです。
表明保証条項には財務諸表、会計帳簿に虚無がないこと、買い手に開示されていない偶発責務が存在しないこと、デューデリジェンスで開示された情報が正しいことなどが含まれます。
また、デューデリジェンスのみですべての諸問題を抽出し、譲渡価格に織り込むことは困難なので、ある程度の網羅性を担保した表明保証を行うことが多いです。
表明保証により、買い手はリスクを回避して円滑にM&Aを締結することができます。
M&A基本用語解説まとめ
ここまででM&Aの基礎的な用語を解説してきました。実際にM&Aを行うとなると、工程はかなり複雑なものとなります。
M&Aをお考えの方やご興味のある方はぜひDoktorにお問い合わせください。