激増!?ドラッグストアの2021年M&A動向
企業が成長をするための手段として、スピーディーに事業構造を転換することができる手段である“M&A”はとても有効な手段で、医療分野でも、「規模の経済」によるシナジー効果を目的に、病院やクリニック、薬局、介護施設などの医療機関、医療法人の買収を進めて事業規模の拡大を検討する医療法人、企業も増えています。そこで本記事では、2021年最新のドラッグストアのM&Aの動向について紹介していきます。
ドラッグストアのM&Aは増加!
ドラッグストア業界のビジネスモデルの特徴として、他業態よりも安く食品や日用品など販売することで集客をし、利益率の高い医薬品で収益を上げていくと言うことがあげられます。
そんな、ドラッグストアの業界は、定期的に起きる薬事法改正による規制が起きた際などに柔軟な対応力が求められる業界でもあります。そうしたことから昨今、ドラッグストア業界のM&Aは活発に行われ、業界再編の傾向が予測されます。
こうしたドラッグストア業界の市場は過去20年間で急激な成長を遂げ、大規模ドラッグストア企業はプライベートブランドの開発や新規店舗の出店などを通して大きく成長してきました。
しかし、近年ドラッグストア数が飽和状態であることのみならず、薬事法の改正による業界変化でドラッグストア業界全体の市場が停滞しており、好条件の新規出店場所が限られていることから、大手のドラッグストア企業はM&Aによる市場規模の拡大を積極的に行なっています。逆に、中小ドラッグストア企業は、成長の停滞によりに売り上げを伸ばせず、業績が厳しくなったことからM&Aによる売却や譲渡が増加しています。
このようにドラッグストアのM&Aは現在増えており、この先もM&Aは増えていく見込みです。下記ではこうしたドラッグストア業界でM&Aが行われる背景を3つの要素に分けてさらに詳しく解説していきます。
ドラッグストア業界のM&Aが行われる背景
①深刻な人材不足による影響
昨今ドラッグストア業界では、他店との差別化のために、調剤薬局も併設している店舗が増えています。また、一般用医薬品を販売することから、販売登録者資格を持っている人材の需要が高い業界でもあります。
しかし、これらのサービスを行いたい企業に対しての薬剤師や登録販売者資格の保有者数が不足している状況があり、そこの部分を解決させるために、ドラッグストア業界では人材確保目的のM&Aによる買収が行われています。
また売却・譲渡側に関しても、ドラッグストア業界では売り手市場であることから、譲渡金や従業員の雇用確保目的で売却・譲渡を行う事もあります。
薬事法の改定を受けたエリア拡大
2006年に薬事法の改定の後、他企業との競争激化を予測したドラッグストア業界では、大手ドラッグストア企業同士でのM&Aや中小ドラッグストア企業の買収による規模拡大が盛んに行われてきました。
その効果もあり、2009年の改正薬事法施行後も、大手ドラッグストア企業は成長をし続けています。しかし、また今後の起きる薬事法の改定に伴う他業界との競争に備え、大手のドラッグストア企業は買収を前もって進めています
小規模店舗の後継者不足と経営難
上記でも記したように大手ドラッグストア企業が買収をすることで規模を拡大を目指していることから、小規模薬局の売却数は年々増えています。このような大手ドラッグストアへの売却・譲渡需要が高いことから、後継者不在や経営難により事業継続が難しい薬局は、廃業ではなく大手ドラッグストアへの売却・譲渡を選ぶケースが増えています。
まとめ
今回は、ドラッグストア業界でのM&Aの動向と要因について解説しました。しかし、こうした需要の高いドラッグストアのM&Aをする際にも、契約問題、経済的な問題などさまざまな課題がありこれ以外にも注意し対策すべき点は多くあります。しかし、そうした課題を自身で見つけ対策することはハードルの高い行為です。弊社では、そうした相談に対して解決策をご提案させていただくことが可能です。
お客様やスタッフのためにドラッグストアを存続させるためにも、後継者の不在や、ドラッグストア経営にお悩みの経営者様は、是非お気軽に弊社までお問い合わせください。