買収戦略① M&Aの目的と必要なスキルとは?

目的の明確化

企業が成長をするための手段として、ダイナミックかつスピーディーに事業構造を転換することができる手段である“M&A”はとても有効な手段です。

しかし、当然のことながらむやみにM&Aを行っても、企業にとってポジティブな結果は得られません。前もって十分に練られた買収戦略を策定してから実行していくことが、M&Aの成功には不可欠でしょう。

医療機関M&Aをコラムでは、M&Aの買収戦略の策定方法について、段階ごとに3回に分けて解説していきます。

  1. M&Aの目的と必要なスキルとは?(本記事)
  2. M&Aにおける買収企業の選び方とは?
  3.  M&Aで新規事業を獲得する方法、メリットとは?

今回は、買い手企業のM&A担当者が、M&A買収戦略を立案するうえで参考にしてほしい、プレM&Aフェーズでの目的設定必要なスキルについて紹介します。

M&Aの目的とは?

M&Aを成功させるうえでまず大切なのは、M&Aは手段であって、あくまで目的は企業の成長など、経営戦略の実行でなくてはならないということを理解することです。

手段であるM&Aを目的と混同してしまうと、買収後に失敗するリスクが高くなります。なぜなら、「M&Aを成立させよう」ということばかりに気を取られてしまい、買収対象企業のリスクの見落としや選定におけるミス、金額の査定が甘くなるなど、買い手企業様の不利益につながる可能性が高くなってしまうからです。

M&Aにおける失敗を防ぐためにも、買い手企業様はM&Aの目的を理解したうえで、自社の経営戦略に沿った買収が必要だといえるでしょう。

成長戦略として“M&A”がとても有効である理由

日本のように経済が“成熟段階”にある環境において、永続的に利益を生み出すために企業は常に成長することが求められます。

そのなかで、M&Aは企業の成長や利益の継続を実現するためにとても有効な策であるといえます。

著名な経営学者であるピーター・ドラッガー氏は、

「成長は、事業の成功によって自動的にもたらされるものではない。成長は不連続である。ある段階で自らを変えなければならない」

P.F.ドラッカー『マネジメント―基本と原則〔エッセンシャル版〕』

と述べています。

つまり、単一の事業を行うだけの企業では、市場の変化に対応できず、事業の衰退によって企業も衰退し、いずれ消滅することになるといえるでしょう。

よって、ダイナミックかつスピーディーに事業構造を転換することができる手段である“M&A”は、企業の成長のためにとても有効な手段なのです。

近年、M&Aを考える企業が増えている?

上記のような要因もあり、企業の成長戦略としてM&Aを考える企業は増えています。

成長戦略の本質は“事業構造の転換”です。豊富な財源を有する大企業による大規模なM&Aだけではなく、中堅・中小企業による事業構造の転換を目的とした中小規模のM&Aも増えています。大きな市場シェアをもつ大企業以外の企業様は特に、成長戦略の手段としてM&Aをご検討されてみてはいかがでしょうか。

買収企業様のM&A担当者に求められるスキルとは?

M&Aを遂行するにあたっては、経営戦略会計、関連する法律税金など、多様で幅広い知識、そしてそれぞれの専門的なスキルが求められます。

たしかに、会計については会計士に、税務については税理士に、法律に関することは弁護士に依頼することはできますが、それらのすべてを外部に頼り切ってしまうのでは、コストが膨らむだけでなくスピーディーで正しい判断ができません。

M&Aをご検討される買い手企業様は、余計なコストをかけないためにも、各専門機関に依頼する前にM&A仲介会社にご相談されることをお勧めいたします。

M&Aを成功させるためには我慢も大切?

M&Aは、できるだけ高く売りたい売り手企業様と、できるだけ安く買いたい買い手企業様の思惑が交差するだけではなく、売り手企業様が手放す企業や事業に対する思いや、従業員への思いなどの感情が入り乱れる複雑なものです。

また、一般的に最短でも6か月はかかると言われているように、買い手企業様、売り手企業様の両者が納得するM&Aを実現するためには多大な時間と労力が必要です。

そのため、M&A担当者様にはこの長期戦を我慢するために、また条件を譲歩するといった忍耐力も求められます。

買収戦略はDoktorにご相談を!

Doktorでは、豊富なM&A経験を活かして、外部の専門家では判断がしにくい買収対象企業の事業性評価や統合上のリスクに至るまでアドバイスすることができます。M&Aによる成長をご検討の企業様、開業を希望する医師の方はお気軽に弊社までお問い合わせください。

  1. M&Aの目的と必要なスキルとは?(本記事)
  2. M&Aにおける買収企業の選び方とは?
  3.  M&Aで新規事業を獲得する方法、メリットとは?

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